ざったにっき

コンテンツを消費し続ける人生に終わりを告げる。基本的に消化したコンテンツを紹介するブログです。普段は看護師やってます。

【医療】苫小牧市立病院のネブライザー誤装着医療事故について考える【ふしぎがいっぱい】

f:id:bmw-aqua:20180620122801j:image

こんにちはびーえむです。

今日Twitterでこんなつぶやきを見ました。

 

 

 

???

 

 

 

 

 

 

どういうこっちゃ。

調べてみました。

 ※参考リンク

吸入処置誤り70代入院患者死亡|NHK 北海道のニュース

苫小牧市立病院:たん吸入器を誤装着 70代男性が死亡 - 毎日新聞

 

要約すると

患者は70代男性、脳疾患(内臓疾患?)で気管切開にて気道確保中。(人工呼吸器の装着については不明) 自力で意思の伝達は不可能な状態。

看護師2人が硬い痰を柔らかくするため、ネブライザーを気管チューブの息を出し入れしている側につなげちゃったとのこと。

当然患者さんはその穴からしか息をしていないので窒息状態です。その後おかしいと思ったDr.が対応したが、2時間後に呼吸不全で死亡。

 

書き起こしながら突っ込みどころ満載!

 

おかしいところリスト

情報が少ないのでなんとも言えませんが、客観的に見ておかしいところを挙げると

  1. そもそも動画で使用しているネブライザーは人工気道(気管切開下)の人に使用するのはおかしい
  2. 本来つける場所じゃないところにネブライザーを装着した。(なんでくっついたんだろう?)
  3. 患者さんのバイタルチェックは行っていなかったのか?spo2モニターもしていなかったのか。(低下した時点で即気付けたら助かってたかも・・・)
  4. エコキャス(閉鎖式吸引カテーテル)って人工呼吸器使ってない人にもつけるもんなの?教えてエロい人!

 

まず、どうするのが正解だったのか?


 

f:id:bmw-aqua:20180620123012p:plain

人工呼吸器

 

僕の経験からの判断です。

人口呼吸器を使用していた場合(自発呼吸が無いor弱い)

回路内の加温加湿器の設定を見直して、病状にもよりますが体位ドレナージと併用して排痰する。が基本でしょう。それでも痰が硬い場合はDr.に依頼して水分バランスから見直しです。(実は室内気の湿度も結構重要)

人口呼吸器を使用していなかった場合(自発呼吸がある)

通常気管切開を行った後は、のどに入っている気管チューブに人工鼻という加湿効果兼フィルターの役割をしてくれる医療機器を使用します。

今回の患者さんのように痰が特別硬いケースには上記の対策以外にインスピロン、アクアサームなどのネブライザー付高流量酸素吸入器を使用しています。

 

今回の事例から得られる教訓

 

吸入時に加温加湿だけでなく、薬液を使用していたのかは不明ですが、仮に人工呼吸器を使用していたのならエビデンスがない処置と知らずに行っていたことになります。

Dr.の指示によるものだったらそのDr.も同罪でしょう。(記事には医師の指示と書いてなかったから看護師だけで判断したのかな?)

 

重要なのはやったことがない処置をわからないままやらない!という所にあると思います。

新人教育でも「わからない状態で処置をさせるな!」と口をすっぱくして言われるぐらいです。

今回の事例に限らず明日は我が身の精神で、わからなかったら勇気を出して「やったことないのでわかりません!」と言えるようにしていきたいですね。

 

おわりに

情報が少なくメディアによって言ってることが違うので曖昧ではありますが、今回の事例を見て感じたことを書いて見ました。

今回の事例を基に、自分自身も身を引き締めて看護していきます。

 

それではまたお会いしましょう。