ざったにっき

コンテンツを消費し続ける人生に終わりを告げる。基本的に消化したコンテンツを紹介するブログです。普段は看護師やってます。

【特定疾患】難病看護師として働く4つのメリットとデメリット!【転職】

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こんにちはびーえむです。

 

看護師、もしくは看護学生の皆さん。

難病看護(病棟)にはどんなイメージがありますか?

 

寝たきりの人が多い?

慢性期が多いから療養型で急性期病院よりは落ち着いてる?

優しい人が多い?

 

様々なイメージがありますよね。

 

最近点滴に消毒液を混ぜて患者を連続で殺害した事件で逮捕された看護師も、当時は療養型病棟で働いていたそうです。

Twitterなどの医療者アカウントの間でも色々話題になっていましたね!

 

 

 

僕は現在、難病看護を主とした病院に勤めています。今回の記事はそんな僕の経験を通して

難病看護師として病院で働くメリットデメリットについてまとめていこうと思います。

 

 

難病看護師として働くメリット

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最初に覚えることは比較的少ない

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病態が目まぐるしく変わる急性期よりは、ほぼ慢性期化している患者さんが多いです。

そのため入職した当初は勉強に費やす時間は比較的少ないかもしれません。

 

その分基本的なケア方法や手技、患者さんの個別性についてゆっくりと学ぶことが出来ます。

患者さんの状態が落ち着いているため、新人であっても思いついたケアをすぐに実践しやすい環境が多いのではないでしょうか。

 

人工呼吸器について詳しくなれる

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難病の中でも知名度が高いALS(筋萎縮性側索硬化症)、筋ジストロフィーはその病態から人工呼吸器を装着する患者さんが非常に多いです。

 

なので1つの病棟に人工呼吸器が常に10台以上稼働していることも珍しくありません。

(NPPV、TPPV含め)

そんな患者さんたちのケアを行なっていくうちに、人工呼吸器に関しては自然に詳しくなっていきます。

「人工呼吸器はどうも苦手で・・・」って方にもおススメですよ!

 

NPPVを装着して10年以上経過している患者さんがゴロゴロいます。後述しますが、そのためケアの個別性が凄まじいことになっています。

 

こんな方法もあったのか!と視野を広げさせてくれるかもしれませんね。

 

患者さんやその家族と親密になりやすい

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これは慢性期あるあるですね。

特に家族とは退院支援の際に仲良くなることが多いです。

でも難病看護の退院支援って、一筋縄ではいかないことが多いんです。

人工呼吸器+胃ろうがついてるような、医療度が高い患者さんだったら本人も含め家族に指導することが山ほどあります。

人工呼吸器の指導から始まり痰の吸引方法、胃ろうの管理方法、褥瘡(床ずれ)が出来ないように体位変換や姿勢ケアなどなど・・・

 

でもその分患者さんや家族との距離が縮まり、無事に退院や外泊が行えたときの達成感は堪らないものがあります。

少し特殊な退院、外泊支援を行ってみたい方にも、難病看護は向いていると言っていいかもしれません。

 

特殊なケアを学べる

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難病の看護って本当に特殊なことが多いです。

教科書や参考書に書いてあることがその患者さんにとって正解とは限りません。

長い療養生活の果てに、独自性、専門性を高めたケアを日常的に行なっている方が沢山います。そのような方たちのケアを通して、患者さんにとって本当に必要なケアは何か考えることが出来るかもしれません。

 

給料が高い!

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これです。

最後はやっぱり金です。

いくらやりがいがあったとしても、人の命を預かるプレッシャーや、日々の勉強に加えて夜勤もこなして低賃金では限界がきます。

難病看護は特殊業務手当といった形で追加の手当てが当たることが多いので、一般科と比べて毎月の給料が多くなりやすい傾向にあります。

 

難病看護師として働くメリットまとめ

  1. 就職して覚えることだらけで疲れる・・・ってことは少ない
  2. 人工呼吸器(NPPV、TPPV)について詳しくなれる
  3. 患者さんや家族と親密な関係を築きやすい!(やりがいのある退院支援が出来る)
  4. 難病看護ならではの特殊なケアを学べる
  5. 給料が多い!

 

他にも色々メリットはありますが、大きく分類するとこの5つです。

 

しかし、メリットがあるということはデメリットも当然あります。

 

難病看護師として働くデメリット

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新人から働いていると覚える技術が少なくなるかも・・・

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新人から難病の看護という特殊な環境に身を置くことで、急性期〜回復期における患者さんの看護について疎くなってしまうことが考えられます。外科的な処置介助なども経験できないことが多いです。

基本的には慢性期看護であるため慢性期で働いていきたい!と決めている方なら問題無いのかもしれませんね。

 

1人の患者さんへの対応時間が長引きやすい

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ALSや筋ジストロフィーの患者さんは思考が正常でも身体だけが動かなくなってくるという病態を取ることが多いです。そのため普段何気なく行なっているような細かい身の回りのことも出来なくなるため、全て看護師がお世話を行います。

(例:TVのチャンネルを変えて欲しい、ブラインドを閉めて欲しい、布団の位置を変えて欲しいなどなど・・・)

 

何より大変なのが

身体の位置を調整する姿勢ケアです。

病気の進行に伴い、指一本動かせなくなる方も珍しくありません。発声することも難しくなるため、最後は視線やまばたきのみでコミュニケーションを取ります

そのようなコミュニケーション方法で

1cm、1mmの世界で姿勢を調整していきます。

(例:右の手を3cm右側に、左の手は1cm左側に・・・など。実際に言われたセリフです笑)

患者さんにとって楽な姿勢を探していると、対応時間が長くなってしまいがちで、そこにストレスを感じてしまう看護師も少なくありません。

 

逆に慣れてしまえば患者さんから信頼されるようになり、◯◯さんにやってもらいたいと言われるようになります。

それが良いか悪いかはわかりませんが。

 

家族トラブルが起きやすい

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家族との距離が親密になりやすいという旨を上記しましたが、同時にこれはデメリットでもあります。

 

家族も身体が動かせない患者さんのことが心配なのです。

その気持ちが高じて攻撃的な態度に出ることもあります。

何故そう思ったのか。何を必要としているのか。

そういった視線を大事にしていきたいですよね!

ある意味人間力が鍛えられるかもしれません。

 

病院という形態を取っている以上

クレーム対応からは逃れられない運命にあるのです・・・(悲しみ)

肉体労働が多く、腰を壊しやすい

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人工呼吸器装着に加えて、寝たきりが多いので定期的な体位変換、おむつの交換を必要とする方が多いです。

寝たきりまでいかなくても、移乗や移動に介助が必要な方も多いため、必然的に腰への負担が多かなります。

 

実際腰を壊して退職してしまった方もいました・・・

 

必要に応じてコルセットの使用や身体の使い方を見直すなどの対策をあらかじめ取っておくことを強くオススメします!


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命を救うやりがいは少ない

病院は病気を治す場所というイメージがあると思います。

難病看護は治療法が確立されていないため、治療が成功して退院するということはほぼありません。

そのため、どんどん病気が進行して状態が悪くなっていく患者さんをずっと看続けていかなければなりません。

そこに無力感や悲しみを募らせて、ポッキリと心が折れてしまう方もいるかもしれません。

 

自分に合った看護はなんなのか。

一度考えてみるキッカケにもなります。

 

難病看護師として働くデメリットまとめ

  1. 新人から働いていると覚える技術や知識が偏ってしまう可能性がある。
  2. 患者対応が長引いてストレスを感じやすい
  3. 家族トラブルが起きやすい
  4. 肉体労働が多いため、腰を壊しやすい
  5. 命を救ったり病気を治すというやりがいは少ない

 

転職を考えている方は

ここまでを振り返って、いっちょ転職してやろうかな〜〜〜!!って人は転職サイトを利用するのをおススメします。

将来的に転職を希望している方は登録して内部事情などの情報収集だけでもしておきましょう。(例:超勤の多さ、超勤は申請しやすいのか、年休は取れるのかなどなど・・・)

 

人間関係に関しては病棟にもよるので

入ってみないとわからないのが本当のところだと思います。

 

看護師の口コミサイト、ナスコミを利用するのも一つの手ですが

個人の主観が強いため半信半疑くらいでちょうどいいんじゃないでしょうか。

おわりに

難病などの特定疾患の看護は急性期的な看護とはまた違った感覚を覚えるでしょう。

 

普段生活してる範囲ではなかなか耳にすることも少ない難病の数々・・・

 

数年前に流行ったアイスバケツチャレンジを例にしても、取り組みだけが注目されてイマイチ病態や患者を取り巻く介護状況などは未だに注目されにくい現状があると思います。

 

この記事を通して少しでも難病に興味を持ってくれる人がいてくれたらいいな〜〜〜〜〜って思ってます。

 

それではまたお会いしましょう。